【映画】イニシエーションラブ
最後の5分全てが覆る
あなたは必ず2回観る
あらすじ
バブル真っただ中の、1980年代後半の静岡。友人から合コンに誘われ、乗り気ではなかったが参加することにした大学生の鈴木(松田翔太)は、そこで歯科助手として働くマユ(前田敦子)と出会う。華やかな彼女にふさわしい男になろうと、髪型や服装に気を使って鈴木は自分を磨く。二人で過ごす毎日を送ってきた鈴木だったが、就職して東京本社への転勤が決まってしまう。週末に東京と静岡を往復する遠距離恋愛を続けるが、同じ職場の美弥子(木村文乃)と出会い、心がぐらつくようになる。
予告
感想
この映画を見て女ってすごいなあって思うものの、前田敦子の可愛さにキュンキュン来ます。同じ女性でありながら、あのあざとさをここまで表せられるか!と感動しました。
見ている時はあのポッチャり痩せたら松田翔太になれるのか…ってびっくりしましたけどね。
あのバブル時代を生きてないからこそ、みててもそうなんだあにしか思いませんが、バブル時代をいきた人達はより一層楽しめるんじゃないでしょうか
映画は最後10分くらいまでははっきりいってつまらないなあっておもいます。普通の恋愛ドラマを見せられてるんですから。それがみんな騙されてる!!ってなるんですから、すごいです。
sideBからは徐々に少しずつ違和感はではじめます。あんなに優しかったたっくんもかっこよくなれば変わるのか?とかとか。でもあんまり気にならない程度なんですけど、ほんとに何かの違和感が続きます。
それが最後にわかるのです。このどんでん返しはおぉーーって感心しました。
そしたら2回目を見たら全ての違和感にそういう事だったのかとおもえます。これは監督が狙ってしているのですから、すごいのです。
原作の顔が見えないから読者の想像を駆り立ててあの落ちにもっていけるのをどうやって映像化するんだとおもっていましたが、それを見事にやってのけたと言われています。映画を見たからこそ、原作の最後2行を読みたくなりました
ストーリーネタバレ
sideA
1987年7月17日、鈴木夕樹は富士通に内定を得た大学四年生でした。理学部と言うだけあって女っ気もなくダサくぽっちゃりした夕樹は同級生の望月にさそわれ合コンに参加します。そこで歯科助手として働く成岡繭子に出会います。薬指に自分の誕生石だというルビーの指輪を嵌めた可愛らしい笑顔の女性で夕樹はどんどん惹かれていきます。
8月に再びみんなで会い、海へ海水浴へ行きました。暑さでのぼせた夕樹は鼻血をだし1人海の家で休憩していると、繭子がやって来てタバコを吸い始めました。そして電話番号を夕樹に教えその場から立ち去りました。
数日後勇気をだして繭子に電話した夕樹、毎週金曜が最近は暇になったからと言われ、毎週金曜に合うようになります。そこから徐々に打ち解け、益々夕樹はまゆこに惚れます。
ある日BARで本の貸し借りをして、『タック』1つでも気を使ってと繭子に言われ、繭子のために新しい服を買い、髪型を変え一生懸命オシャレをします。それを繭子は喜んでくれます。そして繭子は夕樹の夕はカタカナの夕に見えるため、夕樹のことを『たっくん』と呼び始めるのでした。たっくんは繭子のことをまゆと呼ぶようになりました
8月末にいつもの様に金曜日似合う予定でしたが、繭の体調不良により延期になりました。次に繭にあった時は豪快にお酒を飲みタバコを吸っていました。そして原因は便秘で1日入院したらスッキリしたと笑顔で話すのでした。
9月に入るとたっくんは繭に想いを告げます。するとすぐに会いたいといわれ、たっくんは急いで原付を飛ばして繭に会いに行きます。2人はそのまま結ばれ、繭は「初めてがたっくんで良かった」と言うのでした。そこから2人は仲良く過ごします。繭のために取った免許で初めては軽自動車に乗りますが、就職したら新しい車買うと約束しました
クリスマスが近づき、ホテルのディナーを予約しようとしますがどこも予約でいっぱいだろうなとおもったところ、たまたまさっき予約キャンセルが入ったから…と直ぐに予約が取れ2人は喜びます。クリスマス当日繭へネックレスのプレゼントを渡したところ、赤いエアジョーダンのスニーカーをたっくんはプレゼントされ喜びます。そして繭のために痩せてかっこよくなると約束するのでした。
sideB
使い古したエアジョーダンの靴で走る細身のたっくん。6月に静岡支社から東京へ3年間の出向を言い渡され、2人は遠距離ながらも頑張ろうといい、たっくんは東京へ行きました。
たっくんは毎週金曜に繭に会いに高速道路で静岡まで帰っていました2人は仲良く過ごしていましたが、金銭的にもなかなかしんどかったたっくんは下道を5時間かけて繭に会いに行くようになりました
たっくんは同僚の美弥子と意気投合して美弥子が行っていた劇団を見に行ったりしていました。美弥子は繭とは正反対のタイプで、たっくんのことを好きだと告白してきましたが、彼女がいるからと断りました。
7月に海へ行く約束を繭としており、繭はそのためにハイレグの水着まで買っていましたが、中止になり、8月に行くことになりましたが大渋滞に巻き込まれます。その車の中で繭は妊娠したかもしれないと告げます。焦るたっくんにきっと大丈夫と繭は言うのでした。
繭の部屋に高価な本があり、腹が立つたっくん。自分はずっと繭に会うために節約して過ごしているのに、繭は高い本を買っている。怒鳴り散らしますが、繭は図書館で借りるからごめんなさいと泣きます。怒りに任せて家を出たたっくん。後ろめたさもありましたが、怒りの方が勝っていました
しかし、繭は本当に妊娠しており、2人は堕胎の道を選びます。そこから二人の関係はギクシャクし始め、たっくんは東京からなかなか静岡に帰らなくなりました。
その後美弥子と体の関係を持ち始めたたっくん。美弥子はこのままの関係でいいと言われ、ズルズルと二股を続けていました。美弥子からたっくんと繭の関係は「イニシエーションラブ」なのではと指摘されました。それを聞いてどこか納得するたっくんがいました。
繭に会いに行ったとき、たっくんは間違えて繭のことを美弥子と読んでしまい浮気が発覚します。しかしたっくんは逆ギレし、暴れ、『俺達はあの時(堕胎)終わってたんだ』と言い残し去って行きました。
そのまま二人の関係は終わってしまい、たっくんは美弥子と付き合うようになりました。そしてクリスマスイブに美弥子の両親に会うことになりました。繭との約束でクリスマスイブにホテルのディナーをとっているのを思い出し、予約をキャンセルしました
ある日飲み会で酔って帰ったたっくんは間違えて繭に電話してしまいます。しかし何も言えずにいるたっくんに『たっくん????』と問いかける声が聞こえ急いで電話を切ります。そこからたっくんには繭はずっと俺の事を待ち続けているのではないかと思うのでした。
クリスマスイブ当日、美弥子の両親に会うものの、もしかしたら繭がまってるかもしれないと気が気でありませんでした。そして美弥子の両親と会ったもののすぐ、静岡に車を走らせました。繭が待っていると思い込み。
ホテルに着き立っている繭をみて駆け寄ろうとするものの、男性にぶつかられ転んでしまいます。繭が『たっくん』と言いながら駆け寄ったのは男性の方でした。気が動転するたっくん。その場には2人のたっくんがいたのです。
そのころ美弥子は両親にたっくんの名前を教えていました。『彼の名前は鈴木辰弥』
東京からきた鈴木辰弥がぶつかったのは鈴木夕樹でした。つまり、繭も辰弥と夕樹とで二股をかけつづけていたのでした。辰弥に会えないから夕樹と会うようになった繭。堕胎した時も同時進行だったのです。そこから3人の回想がはじまるのでした
最後にバツの悪い顔で笑う繭だったのでした。
2回見たくなる?
1回で全てが把握できるので2回目は答え合わせのために気になる人が見たら、そういう事だったのかと一気にわかるようになります。
例えば辰弥に買ってもらった服なのに、夕樹とのデートの時にきていたり、
辰弥と食べようとしていた蟹を夕樹とふざけながらたべていたり、
タバコを一時吸わなかったり、
辰弥のアインシュタインの本が入ってるのに、夕樹がこんなの読むんだねって言ったりと
違和感がたくさんあるんですよね。ものすごい自然だからきがつかないけど、sideBをみていたら『ん??』って思うところが多々見られるのです
そういうものの答え合わせとしてみるのが面白いです二回目は。
繭子の二股理由は?
東京から来ても疲れて寝てしまう辰弥に欲求不満がたまってたんじゃないでしょうか。
辰弥は繭子のために静岡に残るために大手を蹴って会社に入社。しかし、東京へいくことに。もうそれは繭が描いていた未来じゃなくなっていたんじゃないかなあと。
そして辰弥があまり繭の元へ来なくなったので察した繭はさっさとキープ君である夕樹に目をつけたのです。誠実で優しく、女性にモテないものの、大手企業に内定が決まっている夕樹。
一方で3年は確実に東京で過ごさなければ行けない辰弥で、怒りっぽく、怒ったら胸ぐらを掴んだりします。劇中で繭が泣きながら「殴らないで」というシーンがあります。多分それまでも怒ったら殴ったりしてたのでは?と推定できるのです。
優しく大手企業な夕樹と暴力的な辰弥。ふたりのたっくんを天秤にかけたのでしょう。だから甘えたで依存的な繭なのに堕胎の頃から、辰弥から連絡がなくてもしつこく連絡したりしなくなったのでしょう。それまでは飲み会で連絡が取れない辰弥に何度も電話をかけたシーンなどが見られます。それが無くなるのです夕樹がいたから。
まとめ
女って意外と怖いって思わされる映画です。繭の方が浮気が双方に絶対にバレないように『たっくん』と呼び方も合わせてましたし、最後は優しくて大企業に勤める方を選ぶのですから。
イニシエーションラブ、通過儀礼っていまもありますよね。『恋を教えてくれる人と愛を教えてくれる人。』っていいますもんね。
辰弥と繭子はお互いにイニシエーションラブだったということなんですね。
どんでん返しを味わいたい方にお勧め映画です