【映画】女王陛下のお気に入り
ごめんあそばせ、
宮廷では良心は不要品よ。
あらすじ
18世紀初頭のイングランドの人々は、パイナップルを食べることとアヒルレースに夢中になっていた。体の弱いアン女王(オリヴィア・コールマン)の身の回りの世話をする幼なじみのレディ・サラ(レイチェル・ワイズ)が、権力を掌握していた。ある日、宮中に新入りの召使いアビゲイル(エマ・ストーン)がやって来る。
そこから始まる女王陛下からの愛の奪い合い。いろんな人のいろんな思惑が混じりあった宮廷ドラマ。
予告
キャスト
オリヴィア・コールマン、
エマ・ストーン、
レイチェル・ワイズ、
ニコラス・ホルト、
感想
この映画は本当によくできてます。キャストの演技力もですが、衣装や背景全てが綺麗で息を呑むような仕上がりになっています。
一度は誰しもが憧れるような王室を忠実に再現しています。
煌びやかで綺麗なドレス。好きなものが好きな時に出てきて、自分の御機嫌をみんなが伺っている。夢のような世界ですね。
予告などにもある英国王室版大奥って書いてありますが、少し違う気もします。確かに1人の女王からの寵愛をうけるのが主ですが、イギリス版は2人だけの女性ですし、その裏にはたくさんの国をも動かす思惑がありふれてるからです。
ドロドロしたものが好きな方はぜひぜひオススメです、
ストーリーネタバレ
時は18世紀初頭、アン女王(オリヴィア・コールマン)が統治するイングランドはフランスと戦争中。アン女王の幼馴染で、イングランド軍を率いるモールバラ公爵の妻サラ(レイチェル・ワイズ)が女王を意のままに操っていた。
そこに、サラの従妹だと名乗るアビゲイル(エマ・ストーン)が現れる。上流階級から没落した彼女はサラに頼み込み、召使として雇ってもらうことになったのだ。
ある日、アビゲイルは、痛風に苦しむアン女王の足に、自分で摘んだ薬草を塗る。サラは勝手に女王の寝室に入ったアビゲイルをムチ打たせるが、女王の痛みが和らいだと知り、彼女を侍女に昇格させる。
イングランド議会は、戦争推進派のホイッグ党と、終結派のトーリー党の争いで揺れていた。戦費のために税金を上げることに反対するトーリー党のハーリー(ニコラス・ホルト)は、アン女王に訴えるが、ホイッグ党支持のサラに、女王の決断は「戦争は継続」だと、ことごとく跳ね返される。
舞踏会の夜、図書室に忍び込んで、蝋燭の灯りで本を読んでいたアビゲイルは、ダンスホールを抜け出して突然駆け込んできたアン女王とサラが、友情以上の親密さを露わにする様子を目撃してしまう。
国を動かす二人と最も近い位置にいるアビゲイルに目を付けたハーリーが、アン女王とサラの情報を流すようにと迫るが、アビゲイルはキッパリと断る。アビゲイルはそのことをサラに報告するが、褒められるどころか「双方と手を組む気かも」と探られ、空砲で脅されるのだった。
アビゲイルはサラが議会へ出ている間のアン女王の遊び相手を命じられるが、女王は「サラは国家の仕事より私を優先させるべき」と駄々をこねる。アビゲイルは、女王の亡くなった17人の子供の代わりだという17匹のウサギを一緒に可愛がり、上手く女王をなだめるのだった。
アビゲイルはサラの信頼を徐々に勝ち取り、女王のお守役を務める機会が増えていく。いつもストレートに物を言うサラに対し、甘い言葉で褒め称える従順なアビゲイルに女王は心を許していく。
議会では、トーリー党が激しく抵抗して増税を食い止める。女官長に就任して以来、初めてその権力に翳りが見えたサラに、今度は女王との関係を揺るがす大きな危機が訪れる。それは、いつの間にか野心を目覚めさせていたアビゲイルの思いがけない行動だった──。
公式サイトのストーリー欄より
ネタバレラスト
アビゲイルはハーリーに協力したのでした。そしてサラを蹴落とすために、お茶に薬を混ぜ、昏睡したところを馬に引き摺らせていきました。そしてボロボロになったさらは行方不明に。
山奥で倒れているところを娼館の女性達に助けられますがその間に、女王につけ行ったのはハーリーでした。ハーリーの言うことを信じ影響されていきます。
アビゲイルは身分の上の男性と結婚していました。
ようやく体調も良くなり山奥から戻ってきた顔に大怪我をおったサラでしたが、女王は戦争を辞める気でいたため急いでそれを取り消すように言います。
脅し文句として今までの関係をばらすこと、スキャンダルを起こすことをネタに揺さぶりますが、女王は首を縦に降りませんでした。そして、女王を脅したとしてサラは王室から追放されてしまいました。
サラは幼なじみであった頃の関係に戻りたいと手紙を書きますが、それはアビゲイルの元に届き、アビゲイルは、女王に見せずに破り捨てます。そして戦争は英国の勝利を持って終わりを告げました。
最後にアンの部屋に忍び込むアビゲイル。
アビゲイルは女王のうさぎを踏み潰そうとします。それに気がついたアン女王はアビゲイルに、自分に“奉仕”するように告げ、アビゲイルは諦めたような表情を浮かべて、女王の足元に跪くのでした。
ラストのうさぎの意味は?考察
まず、このうさぎにはなんの意味があったのかかんがえると、
失われた子供たちの象徴
と考えるのが普通です。だって映画の中でもそう言ってましたから。
多分それ以外にもたくさんのことを表している存在だと思います。
寵愛を受けるべき存在
ウサギを可愛がっている女王。そしてそのうさぎを共に可愛がることでアビゲイルは女王の懐に潜り込みました。
子供のいない女王はわがまま放題。
そして誰よりも愛されることを望んでいます。
本来子供に向くはずの愛情や愛されたいという感情が自分に向いてなければ腹が立つのです。
唯一愛情を注いでいるウサギを可愛がってくれたアビゲイルは自分へも愛情を向けてくれる存在だと認識したんじゃないのかと思います。
ウサギはどんな存在?
愛される存在でいたいアン女王。だからこそ、サラとアビゲイルに奪い合われているその状況を理解し、喜んでいました。
しかし最後には女王のそばに残った、残れたのはアビゲイルただ1人。そして最後にはそのアビゲイルに足を揉むように命令し、なんとも言えない顔で足元に跪くアビゲイル。
パッと考えたらアビゲイルもうさぎと一緒で愛玩、おもちゃと同じ扱いだと思えます。つまりそれ以上にはなれないし、サラみたいに信頼するつもりもないと。そしてそれにアビゲイルも気づいてしまったのかもしれません。
愛玩=玩具。ぬいぐるみみたいなもの。
うさぎも自分の気の向くままに愛していたのではないでしょうか。
自分を取り合せることに快感を覚えてた女王。サラも自分が女王を支配し好きなように動かせると思っていました、次にその座を狙っていたアビゲイル。
しかしうさぎを踏み潰そうとしたけれどそれに気がついたのではないか。ただ自分はうさぎと同じ存在だったと
その現実は2人とも女王に踊らされていたのではないのだろうかと。実はただ自分の思い通りに動かしたいがためだったのではないかと。
それに少し気がついてたサラは玩具になるつもりもなく、自分の地位が揺らがないと信じていたからこそ、うさぎを可愛がることはしなかったのではないか。
3人それぞれの投影だったのではないか
女王にとっては子供のように愛されるべき存在
サラにとっては女王の寵愛を受け家族のように信頼を置かれる存在
アビゲイルにとっては実はただの愛玩動物
それぞれの視線から見たらウサギは違う見え方をするんですよね。
まとめ
この話時代背景も全てが実話です。本当にアン女王もいたし、サラもアビゲイルもいました。戦争も実話です。
本当にその時代に生きていたらこのようなやり取りはあったのかもしれないし、なかったのかもしれません。
実在した女性達のそれぞれ事情があったと思うと面白いですよね。
ぜひ人間模様を見たい方はぜひ