【映画】イミテーションゲーム エニグマと天才数学者の秘密
あらすじ
第2次世界大戦下の1939年イギリス、若き天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)はドイツ軍の暗号エニグマを解読するチームの一員となる。高慢で不器用な彼は暗号解読をゲーム感覚で捉え、仲間から孤立して作業に没頭していたが、やがて理解者が現れその目的は人命を救うことに変化していく。いつしか一丸となったチームは、思わぬきっかけでエニグマを解き明かすが……。
引用元Yahoo映画
予告
ネタバレ感想
この映画はNetflixのおすすめに出続けて、それでも興味ないやと放っておいた映画でした(笑)
それでもで続けるイミテーションゲーム。おすすめの先頭に並び続けるイミテーションゲーム。どんなにホラー、ゾンビ、アクション映画を見てもオススメしてくるイミテーションゲーム。
そんなにオススメなら見てみようと思いましたね(笑)根負けです。
以下ストーリーと私の感想
物語は1951年から始まります。空き巣にはいられた数学者チューリング。何か盗られたものが無いかと家を見る警察官に自宅にある装置を必死に隠し、それを誰にも触らせないようにします。警察官達はその態度を見て何かを隠してるのではないかとおもうのです。
時は変わり、第二次世界大戦中チューリングはエニグマという機械を解読するチームの面接を受け受かります。
エニグマはナチス・ドイツが使っていて誰にも解読できないと言われている暗号機です。何通りものパターンで暗号化しており、さらにそのパターンは毎朝変更されるため、ナチスの暗号を傍受してもそれを解読できるすべがなく、イギリスは危機的状況にありました。
チームのリーダーはヒューというチェスチャンピオンです。この人もまた天才です。このチームはありとあらゆる分野の天才達が集められていました。
チューリングはチームの誰とも親しくなろうとせず、むしろ声をかけてくるチームメイトたちを鬱陶しいとさえ思っていました。ただ1人で集中して行いたかったのです。
チューリング!!彼は天才だったのかもしれませんが、壊滅的に人とのコミュニケーションが下手くそでした。口を開けば要らないことを言ってしまうんです。現代だと発達障害等の病名がついていたとも言われています。ベネディクト・カンバーバッチがチューリングを演じることで、天才という面も出ているし、最高です。(私はベネディクト・カンバーバッチの顔が好き)
チューリングは機械には機械でと思い、エニグマを解読するための機会を作るために10万ポンドの出資を中佐に言いますが、却下されます。そこでチューリングまさかの、チャーチルに意見書を出し、出資とリーダーの座を得るのです。
チューリングはリーダーになったことで使えない仲間をクビに、そして新しい仲間をと面接試験を行うのでした。
そこに現れたのはジョーンクラークでした。遅刻してきた彼女は誰よりも早くチューリングの作った問題を解き、チームの仲間入りをするのでした。
ジョーンはチューリングに、他の人と仲良くしなければ絶対に暗号は解くことなどできないと、アドバイスをします。彼女のアドバイスを聞き、チューリングは仲間たちと協力し解読機である「クリストファー」をつくったのです。
引用元ゲッティズイメージ
クリストファーの名前の由来が切なすぎて泣きました。チューリングは同性愛者。学生時代の初恋の人の名前でした。クリストファーは結核で亡くなり、それでもどこかクリストファーのことを想い続けているチューリング。なので映画の途中途中に学生時代のシーンが入り、クリストファーとの青春時代が描かれています。そこがまた切ない!語彙力が低すぎて表せないけど切ない!!!!!
チューリングは同性愛者でしたが、それを知るものは同僚のケアンクロス1人だけでした。当時同性愛者は罪と見られ罰を受ける時代でした。クリストファーを起動させ動かしても暗号解読に時間がかかりすぎて何も成果を出せず、次の日のパターン変更になる日々が続いていました。
中佐は成果を出せないことに怒り、チューリングをクビにするといいましたが、ここでチームのみんながチューリングをクビにするなら自分を首にしろと言い、中佐から1ヶ月の猶予を貰います。
ジョーンは実家から結婚もしてないなら働き続けてたら余計に結婚も遠ざかると言われ、退職をしようとしますが、チューリングはそれはダメだと言い、君と話すのが好きだとジョーンにプロポーズをするのでした。婚約でチームで集まり盛り上がっていました。しかし、同性愛者ということを知っているケアンクロスは複雑でチューリングに同性愛者であることは隠せ罪だと言います。
多分チューリングはジョーンのことは好きでも恋とか愛の好きではなく同僚として好き、そして、チームに欠かせない存在であるジョーンを手放したくないあまりの、プロポーズだったのだと思います。それを知ってるからジョーンの喜ぶ様は複雑です。ケアンクロスの気持ちもよくわかります。それに悩むチューリング、ホントのことを言わなくちゃと。ここがまた切ない。
時代は現代に帰り、刑事と話をしています。イミテーションゲームについて。
イミテーションゲームは相手が人間がロボットかを判断するゲームです。そして、チューリングは刑事になにか質問をしろと言います
「戦時中何をしていたんだ?」
「無線機工場で働いていた」
「ほんとうは??」
「ちゃんと集中して聞くか?」
そして時代は第二次世界大戦中に戻ります。
私はたまに挟まる刑事との会話が大好きです(笑)ズケズケと失礼なことを言うチューリングに言葉の裏を見ようとする刑事。その2人の掛け合いが心理戦のようで好きです。
ある日パブでいつものようにメンバーと飲んでいる時ジョーンの友達の無線室に働いてる女性と知り合います。その女性はいつもドイツ人の無線を傍受していると言います。無線にはそれぞれ癖があってそれで、この人だと分かるようになって来るそうです。
そこでチューリングは閃きました。解読するのに必要な言葉が分かればあとは簡単だと。毎朝ドイツの天気予報とヒトラーの名前が続いていることに気が付きました。その部分だけ解読さえできればあとはクリストファーが解読してくれると。
そして誰も解けなかったエニグマの解読に成功します。そしてみんなで方を抱き合って喜ぶのです。
引用元Yahoo映画
クリストファーが解読が終わりスイッチが止まった時こっちまで息を呑む緊張感でした。あぁこの人たちの努力が実ったんだと。
しかしエニグマの解読が出来たとしても、全ての人を助けられる訳ではありません。ナチス・ドイツにエニグマの買得ができたと知られる訳には行かないからです。解読したわかったら、ナチス・ドイツはきっと新しい暗号を考えるから。チューリングたちのチームもイギリスの努力が無駄になるからです。
つまりそれは命の選別を意味しています。
傍受した戦艦の位置を知らせればイギリス軍や補給船の攻撃を避けられるのです。しかし、その知らせる行為はさらなるイギリスを敵意に晒すことになるのです。そのためチューリングたちの成功は伏せられました。なかったことにされたのです。
このシーンで解読したのを元に今にも攻撃を受けそうな船団を見つけます。チューリングのチームのピーターの兄が乗っている船団でした。ピーターはこの1隻だけ、この時だけお願いだから助けてくれと泣きながらチームに懇願します。
チューリング「すまないピーター」
ピーター「何様だよ。僕の兄さんなんだぞ…まだ数分ある。兄さんを助けてくれ。」
「できない。無理なんだ」
「アラン…ジョーン…ヒュー…ジョン……お願いだよこの攻撃1回止めたってドイツ軍は気づかないよ。お願いだ、友達として、どうか…」
「本当にごめん…」
「神じゃないのに、人の生死を決めるなんて間違ってる。」
「それでもやる」
「なぜ?」
「他の誰にも出来ないからだ」
このシーンだけは泣けて泣けて仕方なかったです。会話の後に沈んだ船団のシーンが入り、胸が掴まれたように切なかったです。
チューリングはこのエニグマを解読できたことを秘密にしてくれと上司のミンギスに頼みます。それは国の上層部を騙すということでした。ミンギスはまかせてくれ、良くやったとチューリングを誉めます。ミンギスにイギリスとドイツ両方をだまし、戦争を早く集結させることを約束させました。
それと同時にチームメイトだったケアンクロスがソ連のスパイだと気づいてしまいます。
気づかれたことを悟ったケアンクロスはこのことをバラしたら、チューリングが同性愛者だとばらすと脅されます。しかしミンギスはケアンクロスがスパイだとわかった上で利用するためにチームに入れていたのだと知ります。
チューリングは不信感と不安に刈られ、ジョーンに同性愛者だと告白し、婚約を解消し、仕事をやめろと言いました。もうジョーンには用がないと。しかしジョーンはそんなこと気にしないといい、チューリングなんか気にせず仕事を続けることを選びました。
このシーンも切ない。チューリングは人の心がわからないけど、それなりにジョーンのことが好きでした。だからこそ彼女を守りたいから冷たい言い方をし、ジョーンを遠ざけようとします。ぎゃくにそれでも仕事をするとジョーンに火をつけてしまいますけど(苦笑)
時代は現代に戻ります。
エニグマ解読から2年も戦争は続き孤独だったと刑事に告白します。
毎日暗号を解読し、誰を生かし誰を見捨てるかの計算をし続けたと。人知れず連合軍の勝利に貢献したのは彼らでした。
しかし、彼らの努力は闇に葬られます。全てを燃やし、チームメイトとはあったことの無いものとして過ごせという命令でした。エニグマの解読方法が漏れたら困るからです。それほどにこの解読方法は大切で危険なものだったのです。
ここまでのチューリングの独白を聞き、信じられないと驚愕する刑事。
「さぁ。判定してくれ。僕はマシンか?人間か?僕は戦争の英雄か?それとも犯罪者か?」
「私には判定できない」
「だとしたら僕を助けられないな。」
そしてチューリングは同性愛者の罪で捕まります。
チューリングは裁判の結果投獄かホルモン注射で去勢かを選ばされ、注射を選びます。
そうです。自宅にあったあの機械はクリストファーなのです。チューリングが愛しているクリストファー。クリストファーを完成させ、そばにいたいためホルモン注射を選んだのです。
最後にジョーンが家に尋ねてきます。陸軍の男性と結婚し幸せにしていると。チームメイトみんな幸せにすごしている。だからチューリングにも幸せになって欲しいと。だからホルモン注射を辞めてほしいと。
しかしチューリングは拒否します。
「きちんと治療をうけないと、彼(クリストファー)を取り上げられてしまう。1人になってしまう。僕を独りにしないでくれ。独りになりたくない。独りは嫌だ」
ジョーンは説得を諦め世間話をします。
「あなたは普通がよかったと言うけど、私はそうは思わない。あなたがいたから救われた街や人がたくさんある。あなたが普通じゃなかったからこそ、世界はこんなにも素晴らしい。」
チューリングは政府の命令で1年間ホルモン注射を受けた後、1954年自殺した。41歳だった。2013年エリザベス女王はチューリングに死後恩赦を与え彼の偉業を認め称えた。エニグマ解読は終戦を2年早め、1400万人の命を救ったとされている。チューリングの偉業は続く研究者達にチューリングマシンの開発をすすめ、それを我々はコンピュータと呼ぶようになった。
以上がイミテーションゲームの全てです。もうエニグマ解読が終わった時から涙が止まりませんでした。
チューリングはクリストファーが学生時代に亡くなって1人になったから余計に孤独を恐れていたんでしょうね。
切なすぎる。語彙力がやばいので、切ないしか出てこないけど、ぜひとも皆さんに見てもらいたいです。
アラン・チューリングの人生
とても天才的な頭脳を持っていたとされています。人工知能の父とも呼ばれており、彼を賞賛する声はたくさんあります。
どちらかというと、アスペルガー症候群の特徴を多く持っていたといわれています。
第二次世界大戦中はエニグマ解読の機械を作り上げ、対戦後はコンピューターの礎を作りあげています。しかし、同性愛という罪で逮捕後は刑務所にはいるのではなく、ホルモン療法をしていたそうです。
その後青酸中毒による自殺とも言われていますが、親しい人達からは事故だったとも言われています。
彼の実力は彼の死後認められ、イギリス政府から謝罪も受けているそうです。
まとめ
彼の功績で今の世の中があると言ってもおかしくありません。そんな彼の切ない実話です。
もし彼が生きていたら…とかんがえてしまいます。
彼は犯罪者なのかそれとも英雄なのか。
それを観客に問いかけてくるそんな映画です。