ぺぺの映画備忘録

映画の備忘録です。ネタバレ有りです。映画のストーリーから生活のあれこれまでゆとり視点でピックアップ!

【映画】長いお別れ あらすじからネタバレ結末。認知症とその家族の物語

【映画】長いお別れ

f:id:k_pe_0325:20190613115316j:image

だいじょうぶ。

忘れることは、悲しいだけじゃない

 

あらすじ

父の70歳の誕生日。久しぶりに帰省した娘たちに母から告げられたのは、厳格な父が認知症になったという事実だった。

それぞれの人生の岐路に立たされている姉妹は、思いもよらない出来事の連続に驚きながらも、変わらない父の愛情に気付き前に進んでいく。

ゆっくり記憶を失っていく父との7年間の末に、家族が選んだ新しい未来とは─。

 

予告

 

キャスト

蒼井優
竹内結子
松原智恵子
山﨑努
北村有起哉
中村倫也
杉田雷麟
蒲田優惟人

 

感想

この映画を見た時本当に涙が止まりませんでした。それは感動したとかそんなではなくて、この暖かい雰囲気が心に染みて自然に涙が出てきました。

 

主に演じてる4人の家族役のキャストの皆さんの自然な演技もすごかったです。本当にこんな家族がいるんじゃないかって思えたし、この家族には歴史があったんだなあって思えました。厳格な父と温和な母、しっかり者の姉とどこかふふわしてる妹。ほんとにそういう家族に思えてきます。演技って思えないくらい自然でした。

 

本当の認知症はこんなものでは無い、もっと壮絶だとの意見もおおくみられました。介護に直面してる人や、職業としてる人や余計にそういう感情になりやすいのではないかと思います。でもこんな形の家族があったと言うので見れたらいいのかなあって。ほんとひとつの家族のホームビデオをを見ているような気持ちになります。

 

話に大きな盛り上がりもなくてずっと平坦なかんじですけど、それは家族の物語だから、普通の家族の物語としてみてるとこんなのが日常だよなあって思わされます。家族映画によく見られる食卓のシーンは暖かくてジーンときます。そしてテーブルの上の食事が質素なんですけどどこか懐かしいような美味しそうにみえてきます。

 

厳格な父親が認知症だと言われた時、どんどん周りのことを忘れていく父親を見て私ならこんなふうに過ごせるのかと思ったりもしましたけど、こういう形もあるんだなあって。

 

父親が何もかも忘れていくのに、再び奥さんにプロポーズをするシーンはほんとに泣けました。この夫婦はずっとずっと想いあっていたんだなあと。想いあってたから忘れても、懐かしさや愛しいという感情が蘇ってきたんだなって。

 

介護だけではなく、家族の物語。あったかくて切なくて、泣けるそんな映画でした

 

ネタバレストーリー

遊園地のメリーゴランドの前で姉妹が子供だけでは年齢制限で乗れずに困っているのを1人の老人が見つめていました。

 

彼の名前は東昇平。妻の名前は曜子、娘二人の名前は姉が麻里、妹は芙美といいます。

 

2007年のある日姉妹が突然曜子から呼ばれ父親のバースデーパーティをすることに。麻里はカリフォルニアで家族と住んでおり、芙美は自分のお店を開業するために大忙しです。そんな中突然呼び出されたのです。

 

パーティを開始するとどことなく父親昇平の様子が変です。姉妹の名前を呼び間違えたり、熱心にポテトサラダからレーズンを取り出したり、怒鳴ってみたり。

 

戸惑う姉妹は曜子に問います。半年くらい前からで、普通な時もあるそうでした。父親が70歳の誕生日の出来事でした

f:id:k_pe_0325:20190614164345j:image

 

それから2年後の2009年。芙美はキッチンカーで青空食堂をはじめましたが、お客さんはいまいち…。そんななか曜子から電話が入り、昇平の友人が亡くなったので葬儀に行くのに同行して欲しいと頼まれました。昇平は見た目は普通ですが、突然訳の分からないことを言ってみたり、死んだ人が誰かわかっていない様子でした。

 

昇平は普段からデイサービスにかよっており、自分が現役時代小学校の校長まで勤めたことを思い出すのか、皆の前で指揮をしたりしていました。

 

麻里が息子を連れて帰宅していましたが、昇平は孫の崇を見ても誰だかわかっていない様子でした。しかし二人きりになると意外と相性がいいのか、難しい漢字もスラスラよむ昇平に崇は驚いて褒めたたえます、

 

昇平はその頃から頻繁に「帰りたい」というようになりました。曜子と麻里は相談した結果、昇平の故郷に連れて帰ってみることにしました。縁側でぼーっとする昇平に崇は嬉しくないのか聞いてみたものの「この頃、いろんなものが遠いんだ。あんたたちのことも。遠いのは寂しいね」といい、崇もカリフォルニアの彼女のことを思い浮かべるのでした

 

2011年、昇平は本好きのままで毎日のように何冊も本をよんでいます。本を逆さに持っていても。そこに起きた大地震。麻里はカリフォルニアにいながらも心配で放射能に気をつけてと言い、帽子とマスクの着用をいいます。

 

昇平と曜子はスーパーに行きますが、そこまで重装備の人はおらず目立ってしまいます。買い物を終えて帰ろうとするとスタッフにとめられます。何も盗んでないのにと思うものの、昇平のポケットからは鮭がのぞいているのでした。

 

芙美は2人を迎えに行きます。そして帰宅後縁側で昇平と過します。そろそろ恋人と別れそうになっており精神的に辛い状況でした。「私またダメみたい。繋がらないってつらいね」と泣きますが昇平は芙美のおでこに手を当て熱は無いと満足気です。

f:id:k_pe_0325:20190614164228j:image

 

昇平の認知症が確実に進み続けていました。そのため家族で話し合いたいとなり、麻里もカリフォルニアから帰宅してきました。しかしそんな中昇平が行方不明になりました。急いで探します。GPS付きの携帯を持たせていたため探すと遊園地に昇平はいました。

 

冒頭のメリーゴーランドはここへ繋がります。メリーゴーランドに乗れなかった姉妹は昇平に「可哀想な子供がいたらどうしますか?」と訪ねます。家族が昇平の元へ着いた時、姉妹と仲良くメリーゴランドに乗っていました。

 

曜子が思い出したように言います。1度だけこの遊園地に来たこと。その時は雨が降っており、傘を持って曜子と2人をむかえにきたこと。

f:id:k_pe_0325:20190614164242j:image

 

翔平の乗るメリーゴランドの横には傘が三本置いてありました。2人は我慢できなくなり昇平に「お父さん!!」と呼びかけると昇平は笑顔で手を振り返しました。

 

昇平が帰りたかったのはあの時代だったのかもしれませんでした。

 

2013年、認知症も進み、本を破りもぐもぐ食べていました。そのころ東京オリンピックの開催が決定していました。

 

曜子がある日、網膜剥離で入院することになりました。しかし昇平が心配で仕方ない曜子は早く退院することばかり考えていました。入院中代わりに面倒を見てくれているのは芙美でした。食べ物をつまらせたり、脱糞したりと、てんやわんやでした。

 

しかし芙美がいくら頑張っても昇平は高熱を出し、足も骨折してしまい、入院することになりました。まりはカリフォルニアにいたためテレビ電話で入院中の昇平と話します。

f:id:k_pe_0325:20190614164308j:image

 

麻里自身も家庭に問題を抱えており、崇は登校拒否、英語を話せない麻里も孤立、夫は家庭を省みていませんでした。電話で昇平にどうしたらいいと泣きますが、昇平は返事をしませんでした。麻里が泣き疲れて寝ていると、崇が帰宅し、画面の向こうに昇平がいることに気づき、手を振ると昇平も笑顔で手を振り返しました。

 

寝ている昇平のもとで家族が再び集まり誕生日パーティをしています。三角帽子を被って。寝ながらいたずらっ子のように笑う昇平を見て家族も笑うのでした

f:id:k_pe_0325:20190614164255j:image

 

崇は校長に呼び出されていました。最近の調子を聞かれた崇は昇平のことを言います。「祖父が認知症の末、亡くなった」

 

すると校長は「アメリカではどんどん記憶が無くなっていく認知症のことをロング・グッドバイ(長いお別れ)というんだよ。」と教えてくれました

 

崇の元へ1枚の葉っぱが落ちてきてそれを見て、栞代わりに使っていた昇平のことを思い出すのでした。

 

まとめ

認知症とその家族についての映画です。いろんな家族の形があると教えてくれるような映画です。

 

もし自分の身近なひとが認知症になってしまったら?と考えると心配になってきます。介護だってなかなか上手くいかないし、逃げ場がないという感じになってしまいます。

 

昇平もデイサービスに通っていたように、そんな手もあるんだなあと思わせてくれます。認知症になってどんどん自分のことを忘れていかれるつらさもあるんだなあと。

 

英語では認知症のことを「ロング・グッドバイ」というように、どんどん忘れていくってことを長いお別れっていうのはしっくりきました。どんどん忘れて言ってしまうから、お別れであると。でもたまに思い出してくれるから再会もできるんだなあって。

 

介護という現実を突きつける映画ではなく、家族やその周りについて教えてくれるそんな映画でした。