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【映画】凶悪 あらすじからネタバレ結末考察感想。実話事件を解説とその後

【映画】凶悪 

凶悪

死刑囚が告白した史上最悪の事件

 

あらすじ

史上最悪の凶悪事件。その真相とは? ある日、雑誌『明朝24』の編集部に一通の手紙が届いた。それは獄中の死刑囚 (ピエール瀧)から届いた、まだ白日のもとにさらされていない殺人事件について の告発だった。彼は判決を受けた事件とはまた別に3件の殺人事件に関与してお り、その事件の首謀者は“先生”と呼ばれる人物(リリー・フランキー)であるこ と、“先生”はまだ捕まっていないことを訴える死刑囚。闇に隠れている凶悪事件 の告発に慄いた『明朝24』の記者・藤井(山田孝之)は、彼の証言の裏付けを取る うちに事件にのめり込んでいく……。

 

予告

 

キャスト

藤井修一 - 山田孝之

雑誌「明潮24」の記者。認知症の母がいるが介護にはノータッチ。


須藤純次 - ピエール瀧

元暴力団組長。木村のことを先生と呼び慕っていた。ある事件がきっかけで逮捕死刑囚に。


木村孝雄 - リリー・フランキー

「先生」と呼ばれている不動産ブローカー。見た目は優しそうだが…


藤井洋子 - 池脇千鶴

藤井の妻。認知症の姑の介護に疲れ、なんにもしてくれない夫に不満を持っている


感想

まさかのこの映画は実話を元にしているってところですよね。上申書殺人事件と言って結構有名な事件です。

 

この映画は

 

深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ

 

というニーチェの言葉をそのまま使ってるような気がしてきます。凶悪犯罪をみているあなたはどんな気持ちでこの映画を手に取ったんだ?と言われているような気がしてくる映画です。

 

ピエール瀧の演技もですが、リリーフランキーもなかなか驚くほど役にハマっていてこういう人いそうだなあって思ってしまいます。

 

家庭を顧みず取材を続けた記者とその家族。

人の家庭を壊し続けた人にも家族がいて、自分の家族を殺す家族もいたりと、救いようがないです。

 

ストーリーネタバレ

藤井修一は明潮24ではたらく記者で、日々の取材に追われていました。スクープを撮るのが仕事でいくら頑張っても、事件の裏付けが取れた記事を書いても、事件からは日付が経っており女性編集長にイヤミを言われながら仕事をしていました。

 

そんな藤井の元へ須藤純次という最高裁へ上告中の死刑囚から届いた手紙から全ては始まりました。面会に向かった藤井は須藤から「誰にもいっていない事件があります。」と始めました。

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上告中の身でありながら、さらに犯罪を告白するというのはこれからの裁判でフリになるのにいいのかと半信半疑で訪ねますが、そいつがシャバにいるのが許せないといい、自分が「先生」と読んでいた男の犯罪を述べ始めました。

 

1つ目は、先生が殺した老人の死体処理

2つ目は、土地を狙って土地の所有者を生き埋め

3つ目は、保険金狙いで酒を飲まして老人を殺害

 

信じられないようなことをスラスラと話す須藤でしたが、内容はどれも曖昧で疑わしいことばかりでした。しかしぎゃくにその曖昧さが醸し出す奇妙さにより事件は本当にあったのではないかと思わされるのでした。

 

須藤は先生の名前すらきちんと覚えていないようで、藤井は須藤の証言の元探してみると、不動産ブローカー木村孝雄にたどり着きました。藤井は取材の許可を編集長に取りますが、そんな小説みたいなことあるわけないと一蹴されました。

 

しかし事件が気になっていた藤井自身は個人的に事件をおうことにしました。調べれば調べるほど木村への疑いは確信に変り始めました。編集長にこれは誰も知らない大スクープだと記事を頼みますが、裏付けも取れていないものを記事にはできないといわれてしまいました。

 

藤井は仕事場も休みがちになり、自宅にもあまり帰らず取材に没頭していきました。

 

木村は貸した金を返して貰えないことに腹を立てある男を絞殺してしまいます。初めての殺人でどうしたらいいか分からなかった木村は暴力団組長である須藤に助けを求めました。須藤は森田土建という会社の社長を脅し焼却炉を借ります。

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須藤は焼却炉になかなか死体が入らないため死体の切断を始めました。森田はそれを見て吐くばかりでしたが、木村は「肉のやけるいい匂いがする。肉が食べたいねぇ」と愉快そうに言うのでした。森田はしばらくした後、事故により寝たきりになります。

 

須藤と木村はこの一件以来仲を深め、一緒にいるようになりました。木村は須藤の子供にも優しく接しランドセルを買い与えたりしていました。須藤には五十嵐という部下と木村から頼まれて世話をしている日野も部下として囲いこみました。

 

その頃木村は新しい犯罪を考えていました。土地を持っている地方の老人を殺してその土地を売るという計画でした。須藤もそれに乗っかり、老人を生き埋めにして殺してしまいました。土地は1億円で売れ木村と須藤は山分けにしました。その頃から木村のことを更に慕い、木村も須藤のことは弟のように可愛がりました。

 

須藤には刑務所で親しくなった佐々木という男がおり、その人が出所した事により須藤は佐々木のことも部下として迎えました。

 

その頃木村には借金を抱えた電器店の話が舞い込んでいました。5000万の借金を抱え家族皆苦しんでいるようでした。その家族は牛場一家といい、父親を殺してその保険金で借金を返してしまおうという計画でした。

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父親は肝硬変を患っており、木村と須藤は大量に酒を飲ませ、スタンガンを浴びせまくり殺害しました。そのまま山に遺体を捨てました。その流れで一家の母親も殺そうしてしていましたが、須藤の部下である刑務所で親しくなった佐々木が須藤を裏切ろうとし、須藤の逆鱗に触れ殺されます。

 

木村から世話を頼まれていた日野もしては行けないことをし、須藤の逆鱗に触れました。日野の家に行き日野の恋人に薬を打ち日野とともにガソリンをつけ殺害しました。恋人は死に、日野は意識不明の重体になりました。須藤のことが明るみに出て、須藤と部下の五十嵐は指名手配されてしまいます。

 

木村の元へ訪れた須藤は、木村に良い弁護士を頼みました。しかし内心では木村は須藤を切る気でおり、五十嵐が逃走資金を頼んできたと嘘を須藤に伝えます。その事を聞いた須藤は怒り狂って五十嵐を銃殺しました。本当は裏切っていなかったはずなのに。

 

そして須藤は警察に捕まり、死刑判決を下されていたのでした。五十嵐殺害と日野カップル殺害の罪だけでした。

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以上のことを聞いた藤井は編集長にすぐに伝え記事にすることを願います。こうしている間にも木村は老人ホームで身寄りのない老人あさりをしていることも伝えて、最後に木村のインタビューを取ろうとし自宅に向かいますが、警察を呼ばれ拘留されてしまいます。

 

面会に来た藤井の妻は事件のことを追う事をやめてほしいと懇願しますが、死んで行った人の供養だと聞く耳を持ちませんでした。

 

そして藤井の書いた記事は出版され大きな波紋を呼びました。そして木村は逮捕され牛場一家殺害事件も立証されました。しかし最初の殺人と生き埋め殺人は証拠不十分で立件すらされませんでした。藤井は意地で土地を掘り返しますが骨の一欠片もでてきませんでした。

 

木村の裁判で証人として出てきた須藤は「神様は生きて罪を償えと仰った」と言い死刑執行を先延ばしにするために藤井を利用したといいました。藤井はただ自分が利用され死刑執行をおくらせてしまったことを悔やんでも悔やみきれませんでした。

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藤井は自宅に帰ると妻から離婚届をわたされました。ふじいの母は認知症が進み1人で介護なんてできないということでした。それなのに藤井は協力もせず自宅にも帰らず木村と須藤ばかりを追っていたからでした。妻は母親に暴力を振るってしまうことを告白し、そんなふうにした藤井が憎いと泣きました。そして妻は藤井の書いた記事を読んだと言います。「楽しかったでしょ?こんな狂った事件を追っかけて。読んだ私も楽しかった。怖いもの見たさで読んだ。世の中こんなに悪い奴らがいるんだなあって

 

藤井はその後母親を施設に入れることを承諾しました。妻とはどこかぎこちない雰囲気がただよっていました。

 

藤井は木村の面会に向かいます。木村は「私は無期懲役だ。死刑ではない。私を死刑にしたいのはきっと被害者でもない、須藤でも無い、」といい最後に藤井のことを指さし去っていきました。藤井は木村のいなくなった席をただただ見つめていました

 

 

凶悪

凶悪

 

 

 

上申書殺人事件とは?

死刑判決を受けて上訴中だった元暴力団組員の被告人が、自分が関与した複数事件(殺人2件と死体遺棄1件)の上申書を提出。元暴力団組員が「先生」と慕っていた不動産ブローカーが3件の殺人事件の首謀者として告発された。元暴力団組員に取材を続けていた雑誌『新潮45』が2005年に報じたことによって、世間から大きく注目されるようになった。

 

事件の名前

須藤ではなく後藤良次

先生は木村ではなく三上静男という名前でした。

 

後藤が起こしたのは宇都宮監禁殺人事件と名付けられ、その事件が元で死刑判決。

そして告発した理由は、お金の約束を反故されたからでした。そこで後藤は怒り全て無茶苦茶にしてやるつもりでいたそうです。

 

先生は

金銭トラブルの発展から石岡市焼却事件

資産家男性を生き埋めにした北茨城市生き埋め事件

→遺体が出なかったのは先生が掘り起こして別の場所にうつしたからだと言われています。

カーテン店経営者殺害した日立市ウォッカ事件

を起こしたとされています。映画通です。

 

事件のその後

2007年に死刑判決が須藤(後藤)にでましたが、現在も執行はされていません。

先生も立件で来たのはウォッカ事件だけですが無期懲役のまま服役中だそうです。

 

まだ彼らは生きています。

 

 

まとめ

この映画は見ている人みんな凶悪だと突きつけてくるそんな映画です。

 

この映画の残忍性に惹かれた物も、怖いもの見たさで見た人も、みな心の中に凶悪な部分を持っている。そう伝えているのです。

 

最後に先生が私を殺したいのはと言い、記者を指さします。それは画面越しに見ている私たちという意味もあったと思います。こんな残忍な事件を起こせる先生なんて死刑になって当たり前だと思いながら映画を見ていたと思いますし、そう思うように作られていたと思います。

 

だから記者=視聴者だったのではないのかと。

この映画を見ているがその裏で奥さんのように目を背けているものはないのか?と問われている気がしてなりません、

 

この映画をみるときは鬱な気持ちになるので、どうか心が元気な時に見てほしい映画です